【事業計画 事業再構築】 いきなりSWOT分析をしようとすると失敗します

ー事業再構築補助金

事業再構築補助金の事業計画書のポイントは使える!

2021年度の目玉の補助金といえば、事業再構築補助金

新型コロナウィルスの影響を乗り越えて、事業を再構築するための補助金が、通常枠でも最大6,000万円という大型の補助金ということで、とても注目されています。

予算規模としても、1兆4千億円ということで、これまでの補助金とは比較にならないくらいです。

新型コロナウィルス感染症の影響を受け、事業に打撃を受けたけれども、これから会社の新たな収益の柱を作っていこうという事業者を応援する補助金です。

既に第1次公募については締切が終わっておりますが、次は5月10日頃から公募が始まり、7月初旬まで受け付ける第2時公募が予定されています。このほか、今年度中はあと3回の公募が予定されているので、タイミングのよいときにご活用いただくのがよいかもしれません。

補助金は、申請すれば受給できるものではなく、「こんな取り組みに、いくら使いたい」ということを申請して、審査が通って採択されれば、支給対象となります。

補助金の審査は、事業計画書を基に行われます。採択されるためには、合理的で説得力 のある事業計画を策定することが必要です。「合理的で説得力のある事業計画」に盛り込むべき事項として、「事業再構築指針の手引き」に下記のように記載されています。

●現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性

●事業再構築の具体的内容(提供する製品・サービス、導入する設備、工事等)

●事業再構築の市場の状況、自社の優位性、価格設定、課題やリスクとその解決法

●実施体制、スケジュール、資金調達計画、収益計画(付加価値増加を含む)

短く簡単な言葉で書かれていますが、実は、今までの補助金よりも、かなりボリュームが多い!!

それには理由があります。

「事業再構築」は、新しい市場、新しい商品、新しい分野への挑戦ですから、新しい部門の損益計算書をつくるようなイメージです。

新事業は、【思ったようにいかない】のが通例。

また、これまでやってきた事業よりも、リスクが高い。

リスクが高いところに出す補助金であり、補助金でカバーできない投資額の1/3は企業に背負わせることになります。

ポイントをおさえた事業計画書は失敗確率を下げる

失敗確率を下げる意味でも、事業計画はしっかりつくり、その過程での気づきも活かしてほしい、というメッセージなのだと思います。

事業計画に盛り込むべきポイントは、事業再構築補助金を使うか使わないかにかかわらず、

定期的に確認したほうがよいポイントだと思います。

また、第1次公募に取り組んでみての感想ですが、これらのポイントをおさえられる事業計画書は、かなりの確率で実現性が高いものになるのではないかということです。

新事業をつくるとき、事業を変革していくときに、考えるべきポイントを網羅していると思います。

強み・弱み・機会・脅威と書いてあるからといって、いきなりSWOT分析をしてはいけない!

また、盛り込むべきポイントのなかに、

●現在の企業の事業、強み・弱み、機会・脅威、事業環境、事業再構築の必要性

とあるので、

(これはSWOT分析だな!)と、いきなりSWOT分析をするのは【待って】ください。

SWOT分析は非常にメジャーなフレームワークですし、書籍もたくさん出ています。

こういう補助金の申請には、たいていSWOT分析が求められているのですが、いきなりSWOT分析から入ることはおすすめしません。

SWOT分析は、企業の外部・内部環境の情報を整理するフレームワークです。

しかし、実際やってみると、出てくる事項をどう整理したらいいのか、難しいのです。

たとえば・・・

S 強み 高い接客力・優れた商材
W 弱み 認知度が低い
O 機会 デジタル技術の浸透
T 脅威 近くにできる競合店舗の存在

と列挙し、クロスSWOTという手法で、マトリクスで

S 強み × O 機会 で強みを使って機会を活かす戦略に多くの力を注ぎ、
W 弱み × O 機会 で弱みを克服するには?
S 強み × T 脅威 で差別化を考え、
W 弱み × T 脅威 がかさなるところは手を出さない、撤退を

とすることが多いですが、しっくりこないものになりがちです。

(上記の事例だと いかがでしょうか?)

SWOT分析は情報整理ツールであり、戦略を生み出すものではない

O 機会 や T 脅威 を拾い切れていないのではないか?(盲点が残る感覚)

S 強み は本当に強みなんだろうか?どの程度の強みなのか?(独りよがりかもしれない怖さ)

という 不安定さが残ります。

SWOT分析は情報を整理するツールですが、戦略を生み出すツールではありません。

じゃあ、どうしたらいいねん?ということですが、

まずは、外部環境の分析には、PEST分析をおすすめしたいと思います。

内部環境の分析は、3C分析VRIO分析があります。

外部環境の分析には、まずはPEST分析がおすすめ

PEST(ペスト)分析は、マクロ環境分析ともいって、

世の中の流れ(マクロ環境)を、4つの切り口

政治的要因  経済的要因  社会的要因  技術的要因 に分けて、事業戦略やマーケティング戦略上の機会と課題を発見する分析手法 です。

言い換えると、世の中の流れ(マクロ環境)が自社にどのような機会をもたらすかを分析するフレームワークです。

言い換えると、世の中のどこに自社のチャンス(市場)があるのか?を発見するためのフレームワークです。

詳しい分析の仕方は、また回を改めて書こうと思っています。

PEST分析は中期的な経営の視点では欠かせない

なぜPEST分析が大事なのか?というポイントをお話すると

・すぐに売上や利益に直結しないので、おろそかにしてしまいがち

 →中長期的な視野を持たないと、いつのまにか大きな時流の変化に飲み込まれてしまう

PESTはマーケティングに大きなインパクトを与えるからおそろかにできない

 P 政治的要因は、「市場競争のルール」そのものの変化
 E 経済的要因は、売上やコストなど利益に直結する影響
 S 社会的要因は、売上のもととなる生活者の需要構造に影響
 T 技術的要因は、市場競争の成功のカギを変化させる

 →こうしてみていくと、無視できない視点だとご理解いただけると思います。

PESTは一企業の努力で変えられないものが多いから押さえておくべき

PESTはあらゆる戦略・施策の大前提となる

だから めちゃくちゃ大事なのですね。とはいっても

(世の中の事象ってめちゃくちゃたくさんあって、情報を上げだしたらキリがない><。。)

と泣きそうになったこともありますが、多くの事象から、自社の事業戦略やマーケティング戦略に与える影響を見抜くことが大事です。

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