石川県能登町の巨大イカに学ぶ、将来に活きる戦略的お金の使い方

経営戦略

世界中からBadニュースとして報道された石川県能登の巨大イカモニュメント

私は石川県の能登出身なのですが、春先に「能登のイカ」が全国、いや、世界的なニュースになったことがありました。

コロナ交付金で巨大なイカの像を設置「海外まで話題が波及するとは…」 多額の税金投入で注目:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 石川県能登町越坂の観光交流施設「イカの駅つくモール」に設置された巨大なイカのモニュメントに多額の税金が投じられたことについて、英BBC放送など海外メディアが続々と報道している。主な理由は、国の新型コロナウイルス感染症対策の地方創生臨時交付金2500万円が設置費用に充てられたためだ。町内でも賛否が割れる交付金の使い道は、海を越えて波紋を広げている。 (榊原大騎、加藤豊大)

2021年5月8日 東京新聞Web版
イカの駅つくモールに設置され観光客らが写真撮影などをする巨大なイカのモニュメント=6日、石川県能登町越坂で
東京新聞Web版からお借りしました。

コロナ対策の交付金2,500万円と、町費500万円を使って、巨大なイカのモニュメントを設置したことが、「まさかこんなお金の使い方をするなんて!」と話題になりました。

同窓の仲間同士でも当然話題となり、「ちょっと恥ずかしいね~」と言い合っていました。

6月に入って、たまたま能登へ行くことがあり、実際にこの巨大イカを見てきました。

巨大イカ「イカキング」を実際に見てきての気づき

この巨大イカには名前がついたそうで、その名も「イカキング」。

そのまんまやがいね~と突っ込みたくもなりますが、ピッタリなお名前でしょう!

世界中から批判を浴びた「イカキング」はどんな姿でたたずんでいるのか?とても気になりました。

行ってみると・・・イカキング大人気!!

「これがあるから観に来ました!」という方も多く、イカキングと写真を撮る方多数。

イカキングのある「イカの駅つくモール」という道の駅は、多くの人でにぎわっていました。

能登を代表する人気スポットになっていたのです。

この様子を見て、私は、「これこそ、よいお金の使い方だったのでは」と思うようになりました。

批判されようとも長期的なビジョンから逆算して決めることは大事

世界中から批判されることになろうとも、イカキングは立派に人を呼べる名物になっていたのです。

直接お話を伺ってはないのでわかりませんが、この巨大イカモニュメントは、長期的なビジョンから逆算して設置の意思決定をしたのではないかと思いました。

能登町は地方の小さな町。外出自粛の影響を多大に受けており、観光客は激減。大変な思いをされている方も多いと思います。

そんななか、コロナに感染しないための対策も必要だけれども、それよりも、アフターコロナにいかに人を呼び込めるかに、この能登町の将来がかかっていたのかもしれません。

目先の対策ばかりにお金を投じるのではなく、長期的な戦略を考えたうえで、何にお金を使うのかを決める。

アフターコロナでも、多くの人が来てくれるように、イカの漁が盛んで、イカが名物の能登町には、巨大なイカのモニュメントを置こう。そう考えたのではないかと思います。

地元の方々には、想定外だったようですが、世界的なニュースになってしまった。

多少批判されようとも、注目を浴びたことは確かですし、私の周りでも「あ~あのイカね!」とわかっていただける方がちらほらいらっしゃいます。

注目を浴びたもの勝ちなのかもしれません。広告を出すと、3000万円では済まないでしょう。

きっと巨大イカ「イカキング」は、10年後も能登町の人気スポットとして、感謝される存在になるのではと思います。

未来のビジョンから逆算した意思決定は万人には理解されないかもしれないが、とっても大事!

この巨大イカのようなことは、経営にも共通点があると思いました。

企業でいちばん長期的な目線で経営を考えているのは、当然ながら、経営者である社長です。

社員が半年後、1年後を見ているのに対して、経営者は5年先、10年先を常に考えています。

10年後どうありたいかということから、現時点を逆算して、意思決定をします。

ときには社員さんから見ると、「なんで今これやるの?」「もっと大事なことがあるんじゃないの?」と思うことがあるかもしれません。

考えている時間軸が違うので、理解しがたいこともきっとあると思います。

しかし、経営者が、将来どうありたいかから逆算して、意思決定をしているとしたら、「いつかわかる日が来る」もの。

長期的な目線での意思決定は、必ずしも万人に理解されるものではないですが、将来のためには、このような決断も大事でしょう。

「将来のために、この投資は間違いなく必要なんだが、理解されないんだ」というお悩みの経営者さんには、説明と対話を重ねても、理解してくれない人がいても、きっと時間が解決する、と伝えたいです。

じゃあ、どうやって未来のビジョンから逆算して、何をするかを決めるのか?

このテーマについては、回を改めて、お話したいと思います。

ぜひ、石川県に行かれることがあれば、ちょっと足を延ばして、「イカキング」を観に行かれることをおすすめします。

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この記事を書いた人
神佐真由美

関西を中心に活動する税理士。自ら道を切り拓く経営者に尊敬の念を頂き、経営者にとって「一番身近なパートナー」になるべく、起業支援や資金調達支援、経営改善や組織再編、事業承継支援など多くの経験を積む。
「会計は現場の行動と成果に結びついてこそ意味がある」をモットーに、ビジネス全体を俯瞰して伴走し、問題解決ができるビジネスドクター税理士として活動中。

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